2016年2月アーカイブ
「このことば」は、連携プロデューサーが独断と偏見で、できれば、ああでもない、こうでもないと考え、学んでもらえるようなメッセージ性のあるものを取り上げています。かなり押し付けがましいことかと思いますが「このことば」を手がかりにことばの意味することについて多少とも知りたくなり、考えたくなる機会になればと考えています。
4-1 技術的特異点(シンギュラリティ)
技術的特異点(シンギュラリティ)とは、人工知能の能力が人類のそれをはるかに超える出来事または時点と定義され、それ以降の人類の歴史は予測できないとされている。また、その時点で人工知能の能力が爆発的に進化する知能爆発が起きるとも考えられている。従ってこれまでの人類の傾向に基づいた人類技術の進歩予測は通用しなくなると言われている。技術的特異点がもたらすであろう問題を「特異点問題」あるいは「2045年問題」と呼ばれている。「特異点問題」についてアメリカの人工知能研究者、未来学者レイ・カーツワイルが最も盛んに論じている。カーツワイルの予言では技術的特異点は、これから30年先の2045年となっている。
インテル社創業者ゴードン・ムーアが経験的に見つけた「ムーアの法則」に基づけば、コンピュータの演算処理速度は30年で10億倍と指数関数的に高まり、この指数関数的な進歩の行き着く先が技術的特異点で2045年に訪れると予測している。たとえば1年で倍増する指数関数的な進歩の場合、30年後には10億倍に達する。
現在の技術では予測不可能な未来が訪れる可能性がある。
技術的特異点を目指して行われる人工知能、ロボット、ICTの研究は国の将来に重大な影響を及ぼす。先に技術を獲得した企業や国は、技術的、経済的、軍事的に他に対して圧倒的な優位性を獲得する。そのため技術的特異点を目指して米国のIT大企業は膨大な研究投資を行っている。また米国とEUの政府レベルでも同様な大規模な研究投資が行われている。
参考文献
松田 卓也:2045年問題 コンピュータが人類を超える日、株式会社廣済堂出版、2013年1月1日
4-2 飛躍型企業
「飛躍型企業」(Exponential Organization)は、特異点問題を研究するためアメリカ、シリコンバレーで2008年に創立、世界のエリート企業家や幹部たちが通うシンギュラリティ大学においてコンセプトが最初に議論された。シンギュラリティ大学は、技術革新をてこに食糧、エネルギーなど世界的な難題解決に挑む人材を育てている。
シンギュラリティ大学で、ムーアの法則を背景とした企業の指数関数的な急成長(もしくは技術の爆発的な変化)に注目して、そうした企業のCEOや起業家を研究し、インタビューして分析と考察を重ねている。
「飛躍型企業」とは、指数関数的に急成長するという意味で、加速度的に進化する技術に基づく新しい組織運営の方法を駆使し、競合他社と比べて非常に大きい(少なくとも10倍以上の)」価値や影響を生み出せる組織のことである。
現在の企業は、デジタル化、潜在的、破壊的、非物質的、非収益化、民主化から生まれてくる流れに逃れることはできない。この状況を変えるには、新しいビジョンを掲げ、最新のテクノロジーに詳しく、柔軟で包括的な組織へと変貌を遂げるしかない。そのビジョンこそ「飛躍型企業」である。「飛躍型企業」は、外部の人材や資産、プラットフォームにアクセスしたり、それらを活用したりすることで企業と外界との境界線を越えてスケールし、柔軟性やスピード、敏捷性、学習効果を最大化する。
「飛躍型企業」を実現するためには、企業目標の設定と組織運営がポイントとなる。企業目標は、「いましていること」ではなく「これから達成しょうと志していること」を表す野心的な変革目標で刺激的なフレーズでなければならない。さらに、この目標に基づいた組織づくりが重要となる。
参考文献
サリム・イスマイル、マイケル・マローン、ユーリ・ファン・ギースト、ピーター・H・ディアマンディス(訳者:小林 啓倫):シンギュラリティ大学が教える飛躍する方法 ビジネスを指数関数的に急成長させる、日経BP社、2015年8月10日
(校友会連携プロデューサー 田中 久仁雄)
年輪関大会(朝倉 満会長)第14回例会は、2月25日リニュアルオープンした大阪梅田「グランド白楽天」で19名が出席して開催した。
例会のシリーズにしている「会員企業の紹介を兼ねた勉強会」は、大阪冶金興業㈱ 寺内 俊太郎社長(校友会会長)を講師に実施した。
「 国際食品・飲料展 」 に出展します!
◆◇◆ 展示会のみどころ ◆◇◆
今年のテーマは次世代型気流粉砕機の開発と取り組み
『FPM-150型コンセプトモデル』と気流粉砕機最新テストモデルの出展です。
