シリコロイは、故 太田 鶏一 関西大学名誉教授の多年にわたる研究成果である新しいコンセプトのステンレス鋼で、教授の薫陶を受けた同研究室の卒業生が1976年日本シリコロイ工業株式会社を設立、製品開発および用途開拓が続けられています。
記念講演は、科学技術振興会 名誉会長 寺内 俊太郎氏がシリコロイの研究の経緯と創立50周年記念としてシリコロイの新展開を目指し開発する「関大メタル」について述べられました。さらに、日本シリコロイ工業株式会社 清水 孝晏 代表取締役が粘り強く進めた製品開発と多くの分野での数々の実績について紹介がありました。
シリコロイは、従来のステンレス鋼の特性を超える新しい素材で強靭性、耐熱性、耐食性、耐摩耗性、高硬度を兼ね備えるオールラウンド型のステンレス鋼です。シリコロイは、靭性を賦与する有効元素として冶金の常識を破る多量の珪素(Si)を利用した合金で、表面は硬く、内面は靭性があるのが最大の特徴で、厳しい使用環境においてその特性を発揮します。
「関大メタル」は、関西大学の知のさらなる活用と科学振興会などの企業ネットワークを利用してシリコロイでしかできないオンリーワンの技術と製品の提案をめざして新たな価値創造に挑戦します。すでに、一例として3Dプリンター用シリコロイの粉末を製造し粉末冶金への展開を図りつつあります。
(連携プロデューサー 田中 久仁雄)
関西大学科学技術振興会創立50記念講演
