㈱紀和マシナリーは、工具が自動交換でき、フライス削り、中繰り、穴あけ、ねじ立てなどの種々の機械加工の機能を持った数値制御方式の工作機械であるマシニングセンタを製造、販売しています。マシニングセンタは、自動車や産業機械などの部品加工あるいは金型加工などに広く使用され長時間連続して自動運転できる工作機械です。ベッド、主軸、テーブル、Ｘ軸、Ｙ軸、Ｚ軸方向の３軸送り機構および工具交換機構が主な構成要素です。
ベッドは、主要な構造物のベースであり、主軸は、主軸を支えるコラム機構、工具を保持する機能と回転機能、テーブルは、加工物または取り付け工具とのインターフェース機能と回転割り出し（インデックス)機能、３軸方向に移動させる送り機構は、駆動装置（アクチュエーター）、ガイド機構（ローラーガイド）、位置検出機構および自動工具交換装置は、工具交換機能と工具ストア機能（工具収納マガジン）を持っています。これらの他に加工物を交換する自動パレット交換装置、切削剤を供給するクーラント装置、切屑を機外に運び出すチップコンベアおよび制御装置などの周辺装置が装備されています。
マシニングセンタは、主軸の軸心が水平になっている横型マシニングセンタと主軸の軸心が垂直になっている立型マシニングセンタに大別されます。横型マシニングセンタは、４面割出しの可能なテーブルと自動パレット交換装置を備えています。制御軸数は、直交３軸とパレットを割出す回転１軸の合計４軸です。加工物を割り出しテーブルに固定し、一回の取り付けで多面加工が可能です。一方、立形マシニングセンタは、直交３軸制御で一方向からの加工が金型加工のように一面当たりの切削量が多い場合に適しています。
㈱紀和マシナリーは、変化する時代を見据え、多様なユーザーに対応すべく、柔軟なスタンスを持ってマシニングセンタをユーザー目線で開発し、独自のブランドを追求しています。
横型マシニングセンタの基本構造は、ベッド、コラム、主軸で構成、それぞれ基本的に左右対称でかかる力が均等に分散し、かつ、箱形構造で剛性を高めています。㈱紀和マシナリーの製品群に｢筋肉マシン｣と呼んでいる横型マシニングセンタがあり、コンパクトな本体、大きな加工範囲と小さなフロアスペースを実現しています。
また、立型マシニングセンタは、多種多様な加工物に対応できる多目的マシニングセンタと位置付け、連続加工を支える切削粉、切削屑の除去が容易にできる構造となっています。
関西大学と共同研究で得られた成果に基づいたハイブリッドガイドを装備した横型マシニングセンタも開発しています。ハイブリッドガイドは、工作機械の加工物を載せるテーブルの移動に使われるローラーガイド部のスライドブロックにＤＬＣ（ダイヤモンド ライク カーボン）をコーティングすることでテーブルが往復運動する時の折り返し点の摩擦速度特性の改善を実現したものです。さらに、切削時、スライドブロックが油圧でローラーガイド上面に押し付けられることで主軸の剛性が増し振動が減少し、加工面の品質が向上します。この成果によって、２０１１年(平成２３年)日本発明振興協会と日刊工業新聞社が共催の第３６回発明大賞「発明奨励賞」を受賞しました。高剛性化を実現したハイブリッドガイド装備の横型マシニングセンタは、重切削による加工をはじめ難削材の加工における適用を展開します。
世界各地から寄せられるものづくり現場からの要望に対し、アメリカにサービス拠点を設けるとともにアジアマーケットを視野に中国での生産（中国工場：紀和机械制造（上海）有限公司）とサービス拠点、タイにサービス拠点を設けてグローバル体制でユーザーのすそ野の拡大を図っています。
工作機械は、機械部品を製造する機械装置でマザーマシンといわれています。工作機械に求められる多様な加工技術は、常に変化し進化し続けています。また、ものづくりの現場で工程の集約や複雑形状物の高効率加工が求められています。㈱紀和マシナリーは、工作機械の製造、販売を通して社会に貢献する企業を目指して、開発と生産が一体となったものづくりで蓄積された工作機械の設計技術と製造技術のノウハウを基に様々な機械加工に応える工作機械の提案と開発を進めていきます。
所在地：〒５１８－０７５２ 三重県名張市蔵持町原出５２２－５１
代表者：代表取締役会長 紀和 隆
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